協力隊員活動記 ~キリマンジャロ山麓の農村で現地民と暮らした2年間の記録~

青年海外協力隊(2015年9月~2017年9月)でタンザニアに派遣されていました。キリマンジャロの見える農村で様々な課題解決に取り組みました。

農作物紹介 PartⅡ

今回はちょっと変わった農作物の紹介。
 
◯ バニラ Vanilla planifolia
 活動の方向性を定める前にまずは周辺地域でどのような動きがあるのかを調べる必要がある。
 そこで僕がカウンターパートから紹介された村の農業普及員(33歳女性。大幅な遅刻が当たり前だし非常に頼りない。)に連れて行ってもらったのは山の地域のある農家。
 そこでは最近あるプロジェクトが始まったという。
 それが赤十字(Red Cross)によるバニラプロジェクト。農民にバニラを栽培してもらって、収穫できたバニラは全て赤十字が買い取ってくれるのだという。
 なぜ赤十字がバニラ栽培を...?と疑問は感じたが、どんな問題を解決するにしても、途上国の農村において農業を切り離して考えることは出来ない。
 バニラは、ラン科のつる性多年草。木に着生するため「バニラ畑」のようなものは必要とせず、畑にもともと生えている樹の根元に植え付けるだけで良い。
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 ▲植物としてのバニラなんて初めて見た。
 
◯ ジャトロファ Jatropha
 ジャトロファ(またはヤトロファ)は少し前に話題になった燃料作物。その後どうなったのだろうかと思っていたが、何とタンザニアで広がっていた。
 タイワンアブラギリ属、トウダイグサ科のジャトロファは、種から取れる油は、車の燃料、石鹸、美容、薬用効果があり、需要が増えてきているのだという。また、耐乾性、耐病虫害にも優れるために栽培しやすい。家の周辺の垣に適していることもあって、注目されている農作物の一つ。バイオエタノールのためだけの一過性のものかと思っていたが思ったより有用性の高い植物のようだ。
 

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▲ジャトロファの木。
 
◯ モリンガ Moringa Oleifera
 スワヒリ語ではムロンゲと呼ばれるこの植物。最近栽培され始めた植物らしく、何でも体にいいんだとか。種を潰して健康食品として食されるみたい。葉も使えるとか。

 

◯ ザクロ Punica granatum
 ザクロ科の落葉高木らしい。果樹としては世界で最も古い歴史を持つものの一つらしい。ジュースはたまに飲むが果実を見たのは初めて。
 

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▲熟すと赤くなる。スワヒリ語でククマンガ。
 
◯ サツマイモ、パッションフルーツ、ニラ、レモングラス、カボチャ…etc.
 他にも様々な農作物があり、見たことのない野菜も多い。市場に行ってもこれらの農作物を見ることは出来ないが、農家巡りをしていると、意外と色々な農作物を栽培しているんだなあと思う。
 
◯ ジャックフルーツ Artocarpus heterophyllus
 和名は波羅密(パラミツ)。クワ科の常緑高木で「ジャックフルーツ」として知られる。「パンノキ」っていう同属のよく似た植物があるらしいが、よく知らない。
 
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▲今でも相当でかいが、最終的には手で示すくらいのデカさになるんだとか。
 
 
<活動の視点>
 普段買い物をしている市場では見かけない野菜や果物が多く存在する。こういった多様な農作物をうまく流通に乗せて販売できないだろうか...とか考えてみたりする。まあでも、色んな農作物見て(もらって食べて)るだけで結構楽しい。これも活動のうちの1つ、うんうん。