協力隊員活動記 ~キリマンジャロ山麓の農村で現地民と暮らした2年間の記録~

青年海外協力隊(2015年9月~2017年9月)でタンザニアに派遣されていました。キリマンジャロの見える農村で様々な課題解決に取り組みました。

街中歩いてたら日本語で声をかけられた。 - 観光客向け商売:絵画売り歩き

先日街を歩いてると

「コンニチハ。元気デスか?ドこ行くんですカ?」

とタンザニア人に声をかけられた。

 

観光客相手に土産物売るか、勝手に街をガイドし始めてお金をせびってくるやつかどっちかやな...

と思いつつ、適当に返事する。

僕「おう、元気元気。」

タンザニア人、続ける。

「ワタシのナマエは~、マルティンです。ワタシ、日本大好きです。ダイジョブダイジョブ!」

 

もうテンプレ通りの観光客向けセリフやん...。でも結構日本語喋れとるな...。

 

彼「ワタシの友だちのニホンジン、〇〇っていう子が教えてクレマした。オオサカ大学の子です。」

 

おお、阪大か。スワヒリ語学科の人やろな。しかもよく考えたらコイツ、よくムチーナ(中国人)じゃなく日本人って分かったな。

僕「Unajua Kijapani vizuri. Ninatoka Osaka.(日本語結構知ってるね。僕大阪出身だよ。)」

 

とまあ、ここで相手をし始めた時点で僕の運命は決まっていました...。

 

彼「オオサカ!あ~、イイですね。」

こっからは英語とスワヒリ語を使った会話に。何故か僕がスワヒリ語、彼が英語で喋るという構図だったが。

 

話によるとティンガティンガを描いてるとのこと(ホントに彼が描いたのかは怪しいが...)。まあ何しか絵を売り歩いてて、ちょっと見ないか?と。

まあこんな輩は一人で街歩いてたらナンボでも寄ってくるし、高く売りつけるのがオチ。

僕「Sasa ninaenda nyumbani. Sihitaji Tingatinga.(家に帰るから、ティンガティンガ要らないよ。)」

彼「No, no. Just look! ダイジョブね~。ワタシ日本ダイスキ!」

 

はあ~、と思いつつまあいいか、と思い立ち止まる。

彼がバッグから取り出したのは数枚のティンガティンガ絵画(エナメルペンキで描かれた、タンザニアの有名な絵画)。1つずつ説明していく...。

最初は要らん、と思ってた僕だったが(いや、1枚くらいいいかと思ってた)、彼、トークがうまいんですわ。(笑)

 

「せっかくタンザニアに来たんだから、タンザニアのアーティストをちょっと助けてくれないか。」とか「トモダチ!チーププライス。」みたいな。

まあ、こういう人は誰も同じ事言うし、完全に営業トークなのは分かってる。でも、それがみんなめっちゃうまいんですよ。

営業の仕事やってる人は一回タンザニア来たほうがいいです(笑)

いや、ホント勉強になると思いますよ。彼らの明るく真っ直ぐな瞳であれだけ言われると、「まあ1つくらい買ってもいいか」ってなっちゃうんですよ。

 

ということで値段交渉が始まり、僕が買ったのがこちら。

 

 

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キリンを描いた抽象画。2頭のキリンがハートを作ってるのが気に入った。ティンガティンガとはイメージがちょっと違うけど。

20,000Tsh(1000円くらい)。買おうと思えばもうちょっと安い値段でも手に入るだろうが、まあ彼の営業トーク、日本語勉強したという努力、そして彼みたいな観光客相手の職を支えるって意味でもまあ金を惜しむところじゃないかって思いました。

 

まあ、結構良い絵だったし。家に飾ろうかな。

 

一人でバックパッカー旅した時も、こんな感じで話しかけてくる人から絵画とか買ってました。



とまあ、タンザニアの都会を一人で歩いてるとこんな風に人がいっぱい寄って来ます。付いて来るのはだいたいこんな風に、アートを売りたいから。まあ、一人旅してる時はいい話し相手になります。なので一人で旅してても寂しくないんです(笑)

あ、でも怪しい人にはついていっちゃダメです、絶対に!
怪しい人ってのは、街を案内してやるとか、車乗って行きなよ、とか。とにかくよく分からんのに親切にしてくれる奴は怪しい。後は目を見て、人柄を判断する。

 

とまあ、観光客目当ての仕事はいっぱいあります。そして機会があれば、都会のこういったインフォーマルセクターの仕事もいくつか紹介出来れば、とも思います。