協力隊員活動記 ~キリマンジャロ山麓の農村で現地民と暮らした2年間の記録~

青年海外協力隊(2015年9月~2017年9月)でタンザニアに派遣されていました。キリマンジャロの見える農村で様々な課題解決に取り組みました。

活動報告:まずは人脈作りから!

最近忙しく動きまわってるSHUです。
さて、今回はちゃんと活動について書きます。

コミュニティ開発を職種にする僕が、何を考えどういうことに悩み、どういう風に活動を進めていくのかを記したいと考えています。

 

決まった仕事はなし…逆に言えば何でも出来る。そんな状況で初めにすることは「村民の暮らしを知ること」です。

 

◯ 最初の活動:老人による村の案内

 配属先は県庁ですが、実際に活動の軸足を置くのは自分が生活するフカ村になります。まずは県庁から紹介された村の役員(エリザベス:推定30代後半)と農業・畜産担当(ニンファ:推定30代半ば)の女性2人と村や郡の事務所を訪れました。(しかしこの時は選挙前ということもあり事務所には誰一人おらずビジターブックに名前を書いただけ)

女性2人は特に何もしてくれそうにないので、まずは村のことを知るために、「村のリーダーに会いたい」「村を見て回りたい」と女性2人に伝えました。

 

その結果エリザベスが連れて来てくれたのが、村のリーダー?である老人(50~60代くらい)2人。その2人が村を案内してくれることになりました。

 

◯ 村が抱える課題 ~気候変動、水不足~

彼らによると、昔は雨が多く水もたくさんあった。樹々もたくさんあって綺麗な村だったという。

農民は雨水に依存するしかなく、乾季の今は何も出来ない、とのことだった。

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▲トウモロコシの収穫が終わり、次の小雨季を待っている状態の畑。

 

 肝心の灌漑設備(キリマンジャロに住むチャガ民族は昔から伝統的な灌漑を持っています。灌漑と言っても手で掘った溝に、要所要所をコンクリートで固めている程度)は今は水が流れていない。降水量の減少灌漑設備の劣化が原因だとのこと。

県庁に行って灌漑設備の劣化をどうにかしてくれと散々言ったが何もしてくれない、ということも言ってた。

そして近くの川を見せてくれた。

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▲案内してくれた2人の老人。村の小さな川にて。

 

この川も昔は渡れないくらい水が流れてたんだとか。

 

◯ 活動におけるポイントと課題の整理

今回の調査で思ったのは、村の現状を把握するには偉い人に聞くのが一番

だということ。リーダーになるような人(特に老人)は、村のことをよく知ってるし、村のために何かをしようという思いが強い。

得られる情報の量も信頼性も高い。地元のことは老人に聞けって日本でも言われたことがありますが、まさにその通りだと思いました。

 

【課題の整理】

1.水不足:乾季は農作物が育たない。

2.雨季の大雨による土壌侵食:これにより灌漑設備が劣化する。

3.灌漑設備の劣化:県は何もしてくれない。

一方で、

雨季には十分に雨が降り土壌侵食が問題に。

・一部では灌漑が決壊して(小規模の)洪水になることも。

地面を掘れば水は下にある。水道を持っている農家は乾季でも水を使える。

ということも分かりました。

 

【感想】

・水不足と言われても、天候を操作できる訳じゃあるまいし…。

・灌漑設備を修理することくらい…?

・とりあえずはもっと情報を仕入れないと。

・自分に何が出来るのかさっぱり見えてきそうにない...。

・でも、熱心に村のことを紹介してくれた彼らのためにも何かしたい

 

 

とまあ、こうして始まった僕の活動。次回は農家訪問について書きます。